機械学習を用いたNVIDIAの音声ノイズ除去機能として、有名なのがNVIDA Broadcast(旧RTX Voice)です。
最近のNVIDIAのグラフィックボードを利用していれば、簡単にマイクやスピーカーのノイズ除去ができるということで、配信などされている方は重宝しているのではないでしょうか?
しかしリアルタイムのノイズ除去では、録画の蔡に設定し忘れたり、後から細かく部分的にかけたいといったニーズに対応できないといった問題があります。
この記事ではノイズ除去なしに録音したトラックに対して、Premiere Pro上で後からNVIDIAのノイズ除去をかける方法について説明します。
- 必要な環境要件
- NVIDA Broadcast Audio Effect SDKのダウンロードとインストール
- Voice FXのダウンロードとインストール
- Premiere Proで利用できるよう設定する
- シーケンス上のオーディオクリップに適用する
必要な環境要件
この後導入するNVIDIA Broadcastのコアになる、NVIDA Broadcast Audio Effect SDKが動作する環境が要件となります。
最新の動作要件はこちらをご確認ください。
執筆時の要件は下記のようになっております。
重要な点は使用しているグラフィックボードと、ドライバのバージョンです。
使っているグラフィックボードのバージョンが不明な場合は、タスクマネージャーのパフォーマンスタブの右上に書いてあります。
ドライバのバージョン確認方法はこの辺りを参考にしてください。
NVIDA Broadcast Audio Effect SDKのダウンロードとインストール
下記のページからオーディオエフェクトのSDKをダウンロードします。
使っているグラフィックボードがRTX 2000番台なら下のリンク、3000番台なら上のリンクをクリックしてダウンロードします。
ダウンロードしたファイルを実行して、流れでインストールしていきます。
インストーラーは日本語なので細かい説明は省略しますが、このように無事インストールされたら完了です。
Voice FXのダウンロードとインストール
こちらのページからVoice FXのダウンロードを行います。
執筆当時は0.3.1が最新でした。
ここでダウンロードします。
この画面で寄付するかしないか選べます。
次の画面でダウンロードします。使って良かったら寄付してあげると開発者も喜ぶと思います。
ダウンロードしたインストーラーはデジタル署名がされていないため、実行してインストールしようとすると警告がでます。
ファイルを右クリックして、「プロパティ」から「セキュリティ」の項目を許可すると実行できます。
もしくは実行時に「詳細情報」から「実行」を押してもできます。
後は流れでインストールしていきます。
特にエラーがなければ完了です。
Premiere Proで利用できるよう設定する
筆者が利用している環境はPremiere Pro 2022です。異なるバージョンで臨む場合は手順も異なる可能性がありますので、そこについては各位でうまく対処してください。
メニューの「編集」→「環境設定」→「オーディオ」を開きます。
開いた環境設定画面から「オーディオプラグインマネージャー」を開きます。
「プラグインをスキャン」ボタンを押すと、下段に「VoiceFX」が追加されると思います。それに有効のチェックボックスが入っていることを確認し、OKで環境設定も閉じます。
念のためPremiere Proを再起動して完了です。
シーケンス上のオーディオクリップに適用する
「エフェクト」内の「オーディオエフェクト」に「VST3」というフォルダが追加されていることがわかります。その中にある「VoiceFX」というエフェクトを、適用したいオーディオクリップに適用します。
環境によってはプレビューで確認できないかもしれませんが、これだけでノイズ除去が適用されています。
オンオフを切り替えて確認したい場合は、VoiceFXのバイパスを設定します。
左上の小さい「fx」アイコンを右クリックして、「VoiceFX」→「バイパス」と設定します。
これでオーディオクリップ上の白い線を上下するとバイパスのオンオフが切り替わり、ノイズ除去適用前と適用後を切り替えながら聞き比べることができます。
通常のエフェクト同様に適用できるため、カットやアニメーションで適用可否を使い分けることができます。