動画編集の際にマゼンタバックの動画素材をいただきました。筆者は動画編集にDaVinci Resolveを使っていますが、録画で圧縮されてしまった影響からか、どうしても綺麗にマゼンタが抜けずにアウトラインのように残ってしまいました。
録画前のOBSの時点では調整すれば綺麗に抜くことができることはわかっているため、録画の段階で透過された動画(アルファチャンネル付き動画)で保存するのがスマートそうです。今回はやり方を調べたので紹介いたします。
前提となる環境
- 録画したい対象:Luppet
- 録画するソフト:OBS
- 編集するソフト:DaVinci Resolve
Luppetについて
録画対象のLuppetは、指定した色を背景に3Dモデルを動かすことができるソフトです。こちらについての説明は省略します。
下記ウィンドウをOBSでキャプチャし、マゼンタの部分を透過して録画するイメージです。
OBS設定
バージョンの確認
まずはOBSのバージョンが29.0.2以降であることを確認してください。 それ以前のバージョンでは不具合があるみたいです。
プロファイルの複製
録画の設定をガッツリ変える必要があるため、普段の録画や配信設定とは別のプロファイルを作成します。 新規で作ってもいいですが、今まで使っていた録画の解像度等設定を引き継ぐため、プロファイルを複製します。
設定の変更
OBSの設定を開きます。
詳細設定
カラーフォーマットをBGRAに変更します。
出力設定
出力>録画 から出力設定を変更します。 種別:カスタム出力(FFmpeg)
- コンテナフォーマット:mov
- 映像ビットレート:各人の解像度やフレームレートで最適な設定は異なります。 FHD録画なら9000Kbps前後程度に設定しています。
- 映像エンコーダ:prores
- 音声関連:お好みで設定してください。
※注:DaVinci Resolveで扱えるフォーマットやエンコーダーを設定しています。
シーンの設定
ウィンドウキャプチャ配置
透過録画用のシーンを作成し、Luppetのウィンドウキャプチャを配置します。
ここは録画対象や用途によって異なるかと思います。
Luppetの場合は「キャプチャ方法」を「Windows 10 (1903以降)」としないと動きませんでした。
透過動画にマウスカーソルが入り込むと非常に困るので、「カーソルをキャプチャする」は外しておきます。
カラーキーのフィルタ適用
作成したウィンドウキャプチャを選択し、「フィルタ」を開きます。
左下の「+」から「カラーキー」を追加して設定します。
「色キーの種類」は今回「マゼンタ」です。
そのままだと綺麗に色が抜けないので「類似性」の値を調整します。
シーンの一番下に「色ソース」などを置くとわかりやすいです。
録画と確認
あとはOBSで通常通り録画します。確認は適当な動画プレイヤーで行いましょう。
筆者はPotPlayerを使って再生しています。
DaVinci Resolveで使う
DaVinci Resolveに通常通りファイルをインポートします。
アルファモード設定
ファイルを右クリックして「アルファモードを変更」から「プリマルチプライド」に変更します。これをやらないとタイムライン上で透過されません。
配置と出力
あとは通常通りタイムラインに配置すれば、透過された動画として扱えます。
出力したらこんな感じになりました。