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10ギガ回線時代におすすめのネットワーク機器紹介

自宅の固定回線も10Gbpsが増えてきましたね。 そうなると宅内LANも自然と10Gbpsにしたくなるわけで・・・ 数年かけてもろもろアップグレードしましたが、問題も多くて試行錯誤しました。

「一般のご家庭」から「やや逸般の誤家庭」くらいまでを対象に、本記事では家庭内で10Gbpsを実現するためのオススメ機器を紹介します。 見慣れない単語もあると思いますので、最後に用語集も簡単にですがまとめました。参考までにご覧ください。

一般のご家庭で使う場合

NEC Aterm WX11000T12

現状、自分ならこれ一択ですね。

WANとLANにそれぞれ1ポートずつ10Gbpsを備え、Wi-Fi 6E対応の無線LANルーターです。

家庭用においては抜群に安心度が高いNECプラットフォームズ製。 自宅で使っていた時もよく動いてくれました。

NETGEAR GS110EMX

マルチギガ(10G/5G/2.5G/1G)ポートを2つ、1Gポートを8つ備えたファンレスのハブです。

ファンレスで小型なのに安定して動作してくれました。

完全にアンマネージドではなく、ログインしてVLANやQoS、LAG、ポートミラーまで使えるため、ちょっと手の込んだことをする場合にも使えます。

BUFFALO LGY-PCIE-MG2

PCIe x4接続・10Gbps対応の内蔵NICです。

無骨ですがコスパが良いので、とりあえず安定して使えればいいならこれで十分です。

QNAP QNA-T310G1T

Thunderbolt 3接続の外付け10GbEアダプターです。

外付けだから正直どんなもんかなと思っていましたが、意外と安定して動作してくれました。

とはいえ外付けは熱が心配になるので、👇のような冷却台の上に乗せて使うと安心でしょう。

逸般の誤家庭向け(本編)

お待たせしました。

YAMAHA RTX1300

もはや説明不要なYAMAHAの10Gbps対応ルーターです。かなり安定して動作します。

法人向けならもっとすごいものがあるのではないかと思うのですが、家庭内で使えそうな範囲だと意外と見当たらないです。 また、ヤマハのルーターは日本の宅内向け回線設定(v6プラスの固定IPなど)がGUIで簡単にできるため、あくまで家で使うならこれがベストだと考えます。

BUFFALO VR-U500X

BUFFALOの法人向け10Gbps対応ルーターです。10Gbpsは2ポートしかありませんが、逆に言えばそのおかげかファンレスでありながら安定して動作します。

法人向けと銘打ってはいますが、実際は小規模オフィス向けのこぢんまりした構成ということもあり、比較的安価です。

動作温度0~50℃と家庭内で十分動作しそうですが、熱が心配なら冷却台の上に乗せると良いでしょう。

アライドテレシス AT-XS910/8 4530R

超安定動作に定評のあるアライドテレシスの、10Gbpsマルチギガを8ポート備えたファンレスのアンマネージドL2スイッチです。

10Gbpsのスイッチングハブが欲しければこれが最適だと思います。さすがはアライドテレシス、ファンレスなのに安定して動作しました。

環境45℃まで動作と書いてあった気がしますが、熱が心配なら👇のような冷却台の上に乗せると良いでしょう。大型静音ファンでサイズもピッタリです。

NETGEAR MS510TXUP

10Gまでのマルチギガが4ポート、2.5Gまでが4ポート、10GbpsのSFP+が2ポートのスマートL2スイッチです。

新しいモデルなのでバッファ容量も多く、SFP+が独立して使えるのもポイント高いです。ファン付きモデルなので音はしますが、夏でも安心して使えます。

LANポートは全てPoE対応で、この後紹介するWi-Fiアクセスポイントに使えます。

PoEが不要ならもう少し安い👇のモデルもあります。

Intel X550-T2

Intel X550チップ搭載の、LANが2ポートついた内蔵NICです。

PCIe x4なのに10Gbpsが2ポートあるので、VMなどをゴリゴリ動かすヘビーユーザーもオススメです。

マザーボードに搭載しているIntelチップは問題が多いですが、こちらのチップは問題なく安定・高速に動作しました。

QNAP QNA-T310G1S

Thunderbolt 3接続の外付け10Gbps SFP+アダプターです。

上記で紹介したQNA-T310G1Tと同様、外付けなのに安定して動作します。

SFP+なのでRJ45より消費電力は低いもの、熱が心配なのは変わりないので、やはり👇のような冷却台の上に乗せて使うほうが安心です。

NETGEAR WAX630E

PoEで動作する、Wi-Fi 6E対応の法人向け無線LANアクセスポイントです。(2.5Gbps受け入れで10Gbps対応ではありません)

上記で紹介したNECのWi-Fiルーターは壁に設置できませんが、こちらは壁や天井に設置できます。

さらに上記のPoE対応L2スイッチと組み合わせれば、外部電源不要で動作するため設置の幅が広がります。

家庭向けのWi-Fiルーターは夏に落ちたりしますが、本製品は法人向けだけあって安定性が高いです。

注意事項と知見

SFP+の相性問題

SFP+はRJ45より低い消費電力で運用することができますが、対向機器との相性により動作しないことがあります。

今回オススメする商品の中では、YAMAHA RTX1300 ↔ NETGEAR MS510TXUP(MS510TXM)では、SFP+でリンクアップしませんでした。

一方で、NETGEAR MS510TXUP(MS510TXM) ↔ QNAP QNA-T310G1Sでは、リンクアップしました。

買わないほうがいい機器

10Gbpsマルチギガ対応ポートを5つ備えたアンマネージドのハブです。

ファンレスにこだわっていた頃に試してみましたが、熱で動作が不安定になりました。

用語集

10GbE

10ギガビット・イーサネットのこと。10Gbpsのネットワーク規格全般を指す。

RJ45

いわゆるLANケーブルについてる、コネクタ部分の規格の名称。

マルチギガ対応

10Gbps・5Gbps・2.5Gbps・1Gbpsなど複数の○○Gbpsに対応していること。 古い機器だと「10Gbpsは対応しているが、5Gbpsと2.5Gbpsは非対応」なんてケースがあった。 最近の機器なら気にしなくてもいいと思われる。

NIC

「ネットワークインターフェースカード」や「ネットワークインターフェースコントローラー」の略。 要するにPCに繋ぐと、LANケーブルを挿したりできるようになるやつ全般。 PCのマザーボードに直接挿すやつ(内蔵NIC)から、USB接続するやつ(外付けNIC)もそう。

SFP+

通信機器に接続する規格のひとつ。 法人向け機器になるとついていることがある。 光ファイバーとかで長距離伝送したりするのに使うことができる。

10GbEはLANケーブルだと消費電力が高くて機器が熱くなることから、昨今では逸般の誤家庭でもSFP+を使うケースが散見されている。 挿せば使えるLANケーブルと違って、光ファイバーとのアダプタみたいな役割をするモジュールに制限がかかっていたり、対向機器との相性で接続できないといったケースが多い。

L2スイッチ

超簡単に言うとネットワーク用のスイッチングハブのこと。 アンマネージドL2スイッチと言うと、設定・管理・監視などオプションがないL2スイッチであるため、ほぼ市販のスイッチングハブと違いがよくわからない。

法人向けの高価なL2スイッチはマネージドで様々な設定ができる。 法人向けでも手の届く範囲になると、スマートL2スイッチと呼んでいたりするものもあるが、これはちょっとだけ高度な設定ができる、賢いL2スイッチのことを指すことが多い。

Wi-Fi 6E

Wi-Fi 6以上、7未満の規格。6と違って6GHz帯が使えることがあり、今までの5GHzより高速に通信できる。 Wi-Fi 6E対応と書いているのに、技適の都合で日本では6GHzが使えないなんてこともあるので機器購入の際には注意。

Thunderbolt

Intelの推進している高速通信規格。端子の見た目はUSB-Cだけど、金がかかっている分USBにはできないことができる(デイジーチェーンとか)

おわりに

筆者の経験を基に、オススメの10Gbps対応機器を一通り紹介しました。参考になれば幸いです。

今後もトライアンドエラーを繰り返して、可能な限りこの記事もアップデートできたらと思います。

それでは、皆さんも良い10Gbpsライフを!