3Dプリンター(Bambu Lab P2S & A1 mini)を導入してから、ついに稼働時間が合計500時間を突破しました。

500時間といえどもまだまだ初心者。基本的にはMaker Worldのページから出力したいモデルを探して使っています。
とはいえさすがに出力作業にはだいぶ慣れてきており、悩みは「いかに失敗せず、楽に運用するか」という点にシフトしていきました。
今回は今まで様々な社外品や便利グッズを試した結果、一周回って今のところ落ち着いている「ビルドプレートの運用方法」について書いていこうかなと思います。
3Dプリンター関連の記事は何回かに分けて行おうと考えており、とりあえず日々の造形品質と作業ストレスに最も直結しそうな話題から先に始めようと思って今回はこのテーマにしました。
現在の装備と運用ルール
いろいろなプレートやスクレーパーを試しましたが、今のところはこの組み合わせが一番楽だと感じています。
- プレート: テクスチャードPEIプレート × 2枚
- 清掃: IPA(アルコール)+ カインズのクロス + 3Mのグローブ(時々洗剤)
- 剥がし: アリエクのプラスチックカミソリ刃
ここに行き着いた経過も含め、具体的な運用方法とあわせて紹介します。
テクスチャードPEI × 2枚ローテーション
Bambu Labのプリンターを使っているなら、個人的には「テクスチャードPEIプレート」をもう1枚買い足して、2枚体制にするのがおすすめです。
2枚持ちローテーションのメリット
超単純なんですが・・・造形が終わったあと、プレートが冷めるまでを待たずして次を始められる。それだけです。

無理やり熱いまま剥がそうとすると、作品が歪んだり、プレートを傷つけたりしちゃうらしいので(実際そんなことになるかはよくわからないです)わたしは2枚持ちにしました。
フローも至極単純。
- 造形が終わったら、作品がついたままプレートごと取り出す。
- すぐに2枚目のプレートをセットして、次の造形を開始する。
- 取り出した1枚目は、とりあえず放置して収縮してから剥がす。
プレートが十分に冷えるのを待てるため、作品が「パキッ」と自然に剥がれます。
なぜ純正を使っているのか
私が今メインで使っているのは純正品ですが、純正であること自体が重要というよりは、「テクスチャードPEIプレート」という種類が扱いやすいなと感じたのがポイントです。

Bambu テクスチャード PEI プレート (金色)jp.store.bambulab.com
上記はBambu Lab公式サイトの購入ページです。価格が同じでポイントがつくサンステラさんのほうがオススメなんですが、そちらではP2S用を取り扱っていませんでした。※A1 mini用はあります
ちなみに社外品でもPyrogrip(BIQU製)のようなテクスチャードPEIっぽいプレートはあるのですが、現時点ではP2S対応のPyrogripがないのが主な理由です。
純正のメリットについては、だいたい以下のような感じで認識しています。
- 自動認識: Bambu Lab独自の「プレート自動認識機能(QRコード)」が活用できる(あくまでトラブル回避程度。A1とかだと関係ないかも)
- スライサー設定: ビルドプレートの仕様にあわせて、フィラメント毎に独自のプレート温度設定とかしなくていい。
テクスチャードPEIのメリットは以下のあたりでしょうか。
- メンテナンス性: 表面がタフで、グローブを使っていればIPAで拭くだけで維持しやすい
- 汎用性: 大体どの材質でも使える。基本的にスティックのりや液体のりを使うことなく簡単に運用できる。
ちなみに、次世代機のH2Cが来る予定なので、H2シリーズ対応のPyrogripもそのうち試してみようと思っています。

別のBIQU製ビルドプレートは試してみたので、それについては後半で話します。
運用を支える清掃アイテム
下調べをしていた段階から、ビルドプレートを素手で触ってはいけない(皮脂など油がつくと定着しない)ときいてはいました。
なので皮脂がつくのを防ぐために、こちらのグローブを使っています。
3M コンフォートグリップグローブ
もともとPCの組み立てでケガしないようにするために使ってたグローブですが、通気性が良く使い勝手がいいので3Dプリンターでもオススメです。
カインズの使い捨てマイクロファイバークロス + グリップ
ティッシュは繊維が残るし、雑巾は汚い。キムワイプでもまぁいいのですが・・・キムワイプは硬い感じ(そもそも紙だし)がして、テクスチャードPEI以外を使った時になんかキズつけてしまいそうなので(大した根拠なし)マイクロファイバークロスを使っています。
こちらのカインズのやつは、ボックスティッシュのように何枚も入っているので、コスパ抜群でケチらず使えます。
私はさらにMakerWorldで公開されているこちらのグリップを使っています。
これを使うと、クロスを均一に押し当てて拭けるので非常に便利です。
IPA(イソプロピルアルコール)
私はこの「注げるタイプ」のIPAを、先ほどのマイクロファイバークロスに染み込ませて使っています。
スプレータイプも売っていますが、空気中に舞って吸い込んだり、プリンターの機構部にかかったりするのが怖いので、拭き取り専用として運用しています。
重要なのはグローブと併用することです。いくらIPAで拭いても、素手で触ってしまうと皮脂を塗り広げるだけになってしまうらしいので、手袋をしてIPAで拭く、というセット運用で今のところ問題なくやっていけてます。
ただし、プレートによってはIPAでコーディングが剥がれてしまうこともあるので、必ず確認するようにしてください。
【番外編】洗剤で洗うときのブラシ
基本はIPA清掃ですが、たま~に中性洗剤で丸洗いすることもあり、その時はこのブラシを使っています。
これがベストかどうかはぶっちゃけまだよく分かっていないのですが、見た目がかわいくて気に入っているので使っています。
プレートを傷つけにくい「剥がし」アイテム
たまにガッチリ張り付いて取れない時(特にPETGのブリム)があるのですが、そういう時に強力なスクレーパーないかな~って思ってました。
このあたりも紆余曲折あったので書き残していきます。
純正付属品(金属スクレーパー)について
コミュニティなどでよく言われていることですが、純正の金属スクレーパーは避けたほうがいいっぽいです。

私自身がダメにしたわけではありませんが、どうも金属スクレーパーはプレートを傷つけちゃうらしいです。なんでそんなもの付属させているんだ・・・
【イマイチ】自作プリント製スクレーパー
MakerWorldなどにあるモデルをプリントして使ってみましたが、すぐに先端が摩耗・ほつれて使い物にならなくなりました。
作る手間とフィラメント代を考えると、意外とコスパが悪かったです。
というかよくよく考えると、第一層より薄くないとフィラメントとビルドプレートの間に入れないですよね。せめて0.2mmノズルで薄く造形しないと、横から押すだけになってしまいそうな気がしてきました。
【個人的に愛用】AliExpressの「プラスチックカミソリ刃」
オレンジ色のプラスチック製のカミソリ刃です。
アリエクでならもっと安く買えます。
MakerWorldでおすすめされていたのを見かけて試してみたのですが、今のところのマイベストです。
- 安全: プラスチックなので、金属プレートを傷つける心配がありません。
- 精度: 射出成形品ならではのエッジ精度と強度があり、3Dプリント品のようにすぐヘタりません。
- コスパ: AliExpressなら100枚セットで500円強(1枚約5円)。
刃先が少しでも傷んだら即交換できるので、ケチらずにバンバン使えます。

ホルダー(持ち手)もセットで売っていることが多いですが、ホルダーだけ3Dプリントするのもありです。
私はP2Sのドアに取り付けられるこのモデルを使っています。
ニトムズ テープはがしカッター
日本のコミュニティでおすすめされているので買ってみました。
金属製だけどキズつけないらしく評判は良いのですが、ぶっちゃけ常用はしていません。
プラスチック刃ではどうしても歯が立たない時のお守りとして持っています。
刃がボロボロになりやすいという話も聞くので、頻繁に使うのはちょっともったいないかなと感じています。
テクスチャードPEI以外の選択肢はどうだったか?
ここに至るまでに試した、他のプレートたちの感想も残しておきます。
話題の社外製プレート(BIQU Frostbite / Glacier)
ネットで評判が良いので導入してみましたが、私の環境ではメイン運用には至りませんでしたが、簡単に紹介します。
・BIQU Panda Build Plate CryoGrip Pro Glacier プレート

通常よりもちょっと低い温度でビルドできると謳ってるプレートです。表面は純正テクスチャードPEIよりも若干スムース寄り?っぽい感じです。
・BIQU Panda Build Plate CryoGrip Pro Frostbite プレート

Glacierプレートよりも使える材質が限られている(PLAとPETGのみ)けれども、さらに低い温度でビルドできると謳ってるプレートです。IPA不可。
Bambu Lab純正のSuper Tackプレートの互換品みたいなイメージなのかなと思っています。
両方まとめて、おおざっぱなスペックみたいな表はこちらの画像で提供されています。

使ってみた感想はざっくり以下の通り。
- 清掃の制限: コーティング保護のためIPA不可(特にFrostbite)なのが痛い。毎回洗いに行くのは現実的ではありませんでした。
- QRコード問題: 自動認識用シールの仕様が不明確だったり、検出OFF設定が必要だったりと、Bambu Labのスマートさを損なうのが少しストレスでした。
- 微調整の手間: フィラメント設定の変更などが必要っぽくて(その辺りの詳細がわからんことも含めて)運用コストが高いと感じました。

色んな動画で「使ってみた結果、ばっちり造形イケてるぜ!」みたいな感じで紹介されてますが、肝心の「どういう風に使うものなのか」は全然紹介されてないんですよね・・・
純正スムースPEIプレート

底面をツルツルにしたい時には必須ですが、PLA以外(特にPETG)では糊(のり)の使用と洗浄が必須になり、普段使いするには面倒すぎました。
あくまで「表面こだわり用途枠」として、余裕があるなら1枚持っておく程度で良いと思います。
Bambu スムーズ PEI プレートjp.store.bambulab.com
純正常温プレート SuperTack

A1 miniでPLAメインの人には良いかもしれませんが、自分(P2Sユーザー)には合いませんでした。
PETGでは言うほど低温でもない割に造形では失敗しやすかったのと、そもそも在庫切れで入手性が悪いのも難点です。
Bambu 常温プレート SuperTackjp.store.bambulab.com
まとめ
500時間使ってみて、今のところ私の「3Dプリンター運用セット」は以下の通りです。
- 基本装備: テクスチャードPEIプレート × 2枚
- 清掃: 3Mグローブ + カインズクロス + IPA
- 剥がし: アリエクのプラスチックカミソリ
いまのところ、この組み合わせが一番失敗が少なく快適ですね。
これから3Dプリンターを始める方や、始めたばかりでプレートの運用に悩んでいる方の参考になれば幸いです。
次回は、3Dプリント最大の敵「湿気」との戦いと、私が実践しているフィラメント管理術について紹介したいなと考えています。





